社葬の流れで押さえておくべき「事後処理」の注意点

企業における重要人物が亡くなったとき、会社葬を実施するケースも見られます。では実際に会社葬を実施したい場合、どのような流れで行われるのでしょうか。亡くなってから慌てて準備することになると、流れを確認していないと二度手間などが生まれるかもしれません。問題なく会社葬を行えるようにするためにも、最初に全体の流れを確認しておきましょう。流れに沿って準備を行うことで、会社葬をより良いものにするための準備が進めやすくなります。

最初に葬儀委員会を設置しよう

会社葬を行う場合、1人で準備を進めていくことができません。会社で取り仕切ることになるので、取締役会を開いて議決を取るところからスタートします。最初に葬儀を実行するための組織になる葬儀委員会を設置しましょう。葬儀委員会の中心メンバーは、役員クラスを選ぶことになります。規模の大きい会社の場合には、葬儀委員会だけではなく、社員が中心の実行委員会を決める場合も見られます。そして委員会を設置したら、最初に委員長を選定します。委員長は故人の後継者となる立場の人を選ぶのが一般的です。会社のこれからをリードする代表者が責任を持ち、全体の準備を進めていくのがポイントの1つです。

また準備を進めていく前に、遺族へ確認を取ることも忘れてはいけません。会社葬を実施しようと思っても、遺族の意思に反して行うのはNGです。最初に会社葬を実施したいことを伝え、許可を取ったうえで具体的な準備を進めていくことになります。

具体的な葬儀内容を決めよう

葬儀委員長の主な仕事は、葬儀の方針を決めることです。具体的な内容に関する取り決めは、葬儀委員会全体で行っていくことになります。まずは遺族の意向の確認を行ったうえで、細かい内容について話し合っていくようにしましょう。葬儀の規模は故人の地位、さらには功績や会社への貢献度などに応じて変えていく必要があります。1つずつ確認しながら、どのような会社葬が適しているのか委員会全体で取り決めていくことが大切です。

そして葬儀の形式や日程、会場が決定したら社内外へ案内を送付するステップに移ります。大きな会場を押さえたい場合には、早めに行動しないと予約が埋まってしまう可能性もあります。また社外から問い合わせなども委員会側のメンバーが中心となって対応することになります。事前の準備でどのような点に注意すればいいのか事前に確認し、問題なく当日を迎えられるように準備を進めていくことが会社葬で大切な点の1つです。

当日は何に注意したらいいのか

当日は何に注意したらいいのか

会社葬と言われると、一般的な葬儀と流れが異なるというイメージを持っている方も多くいます。しかし葬儀・告別式の流れとしては、一般的な葬儀と同じような形になります。宗教や形式に合わせて、読経やお焼香、さらには献花などが行われます。弔辞や弔電の披露なども行うことになるので、事前に誰が話すのかなどの打ち合わせはしっかりと行っておきましょう。時間に余裕を持ってスケジュールを組むというのも、会社葬で大切な点の1つです。挨拶を行う人選としては、喪主である遺族側の代表と葬儀委員長が適しています。

また葬儀委員会は、会社葬当日は参列者の誘導や接待なども対応する必要があります。事前にどのような流れで誘導をしたらいいのか確認し、問題なく対処できるようにしましょう。重要な参列者を待たせることがないようにするためにも、余裕を持って社員を配置しておくのもポイントの1つです。状況に応じて、どのような対処が必要かシミュレーションを実施することも大切です。

事後処理の終了までが会社葬

葬儀委員会の仕事は、会社葬が終了したら終わりと思っていませんか?葬儀・告別式としては、出棺や見送りが終わったら終了ですが、葬儀委員会には最後の仕事が残っています。まずは会場の後片付けを行いましょう。実際に会社葬が終了したら、参列者や弔電をもらった人に対して、3日以内を目安にお礼状を発送し、あいさつ回りを行うことが大切です。

そして会社葬で忘れてはいけないのが、税務上の手続きも必要になるという点です。会社葬でかかった費用、香典や経費を計算しデータとして残しておきます。一部の費用を除き、会社葬の費用は経費に計上できるので領収書もしっかりと保管するようにしましょう。議事録を残しておくことも、税務上のトラブルを避けるためのポイントの1つです。このような事後処理まで終了したら、会社葬の流れもすべて完了します。葬儀委員会も解散し、日常業務に戻ります。最後まで気を抜かずに取り組むことが大切です。

まとめ

会社葬は、企業内で重要なポジションの方が亡くなられたときに実施されるケースが多くなっています。故人を弔うだけではなく、後継者を示すという役割も担っています。そのような会社葬を問題なく進めるために、会社の葬儀委員会が重要です。後継者となる人が委員長に選出される場合が多いので、全体の流れを把握しながら問題なく会社葬の準備を進めていけるようにしましょう。また葬儀委員会は、事後処理も含めてしっかりと対応することが大切です。

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