会社の経営者や関係者がなくなってしまったときには、会社葬をする必要があります。実際に会社葬をするときの疑問点はどれくらいの費用が必要になるのかという部分です。また経費としての処理は可能なのか、理解しておけばコストの調整をすることも容易です。
経営者や役員の会社葬になると、規模が大きくなる可能性もあることから先に身内だけで葬儀をするのが一般的です。その後に社葬が行われるのですが、このときにどれくらいかかるのか相場などを紹介しましょう。
社葬の相場はどれくらいかかるのか
会社葬をするときに最も気になるのがコストです。実際にどれくらい必要になるのかは、どのような葬儀をするのかによって変化します。そこで、およそ500人規模の社葬を行ったときの費用を調べてみると、大体500万円から2,000万円かかることがわかりました。金額は葬儀への参加人数によって変化するので注意しておきましょう。
参加人数が多くなるほど、人数に応じた対応やホールを用意しないと行けないためコストも増えてしまいます。費用の内訳ですが葬儀会場の利用費、祭壇設置費用などが発生します。祭壇設置の費用は豪華になるほど作業量も増えるので費用も増加する部分に注意が必要です。
他にも参加人数分の飲食接待をするため、人数が増えるほどコストは高くなりがちです。人件費は葬式会場で働くスタッフ用のコストで、こちらも参加人数が多くなるほど費用が増します。また、寺院へのお布施と香典返しなどかかるため、総合的にどれくらい必要なのか確認しておきましょう。
経費として計上することはできる
社葬をするにあたって知っておきたいのが経費計上ができるのかという部分です。社葬は経費計上できるものもあるので知っておくと便利です。法人税基本通達を見ると一般的に対象者の葬儀は社葬として妥当であって、社葬に必要なコストの項目が常識の範囲の場合はと経費計上できると書かれています。
具体的には葬儀会場を用意するときに発生するコストは、経費計上が可能です。他にも葬儀会場の設営費用からお布施や野外設備費用なども経費に認められています。また葬儀会場には場合によって警備員をつけるときもあります。警備員の利用にかかる必要も経費に認められるので安心です。
会場では多くの方が葬儀に参列をすることになるので飲食を提供する必要があります。飲食代も葬儀にかかった費用に該当するため経費として計上ができることを覚えておきましょう。
他には社葬通知上を作成するときの費用や会葬御礼から御礼品なども該当します。
法人が、その役員又は使用人が死亡したため社葬を行い、その費用を負担した場合において、その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、その負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、その支出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5389.htm
経費計上できないものもある
経費として計上できるものもあれば、できないものもあるので注意しておきましょう。計上できない場合は遺族が自己負担をします。例えば故人で行った葬儀の費用は経費として形状ができません。家族だけでプライベートな葬儀をした時、友人だけで行ったときの費用などは経費に認められていません。
また葬式をするときには仏壇や仏具の購入もしますが、このときにかかった費用も認められていないので注意が必要です。香典返しをするときには、返礼品を購入する必要があります。返礼品の購入代金も自己負担になってしまうので気をつけておきましょう。
葬儀後には会食と呼ばれるイベントを行います。会食とは告別式などで頻繁に行われるもので、何人かが集まって食事をします。会食の費用は基本的に遺族が負担することになるので注意が必要です。家族がするものなので、当然会社の経費計上には認められていません。
ただし、会社関係者や取引先の人が多い場合は、交際費は計上が可能です。
弔慰金と合同葬について知っておこう
弔慰金とは遺族に送る金銭のことです。弔慰金は相当と認められる場合のみ福利厚生費の損金としてカウントされます。適正な金額を受け取るのなら所得税は発生しないので安心です。
しかし適正な金額を上回った場合は、死亡退職金にカウントされるので注意しましょう。場合により死亡退職金は相続税にみなされてしまうため、事前に確認しておく必要があります。ただ相続人の数によって税がかかりません。
合同葬とは企業の経営者や従業員を一緒に弔う葬儀です。合同式の場合は、個人かそれとも法人になる要素があるのかにより経費計上できるのかが決定します。例えば合同葬の葬儀をするときの会場を借りる費用は経費計上が可能です。逆に香典返しなど個人に関わるコストについては、経費には認められていないので注意が必要です。
どこまでが個人なのか、それとも法人なのかしっかり確認してから合同葬を行えば、経費処理もスムーズにできます。
まとめ
会社葬をするときにはお金が規模によって変化します。大きな会社になればなるほど、葬儀に参加する人数も増えるため、計画的に葬儀をしないといけません。葬儀をするときにかかる費用は、一部計上できるものもあるため、うまく利用をしてコスト削減をしましょう。
ただし、経費計上ができないものもいくつかあります。どのような部分が経費として認められるのかをしっかり確認してから会社にかかるコストを工夫して減らすのが得策です。