会社の創業者や会長、社長や役員などが亡くなったときは社葬を執り行うことがあります。日本では仏式の葬儀が実施されるケースが多いですが、故人が信仰していた宗教によっては神式やキリスト教式が選ばれることもあるでしょう。社葬で神式やキリスト教式が選ばれることは問題ではありませんが、実施するにあたっていくつかの注意があります。社員や参列者を戸惑わせることなく、落ち着いた最後のお別れの時間を実現するためにも注意点を理解しておくことが大事です。
案内状に何式で実施するか記載しておく
神式やキリスト教式で社葬を実施するのであれば、案内状に何式で実施するのか明記しておく必要があります。誰がどの宗教を信仰しているか把握している人は少ないですし、多くの人は仏式での葬儀を想定して参列するはずです。そのため、事前に仏式以外の方法で実施することを伝えておかなければ、参加者を困惑させることになります。香典の書き方や持ち物などに違いがあるため、参列者が準備不足で困る可能性が高いです。分かりづらい書き方であれば見落としてしまう可能性もあるので、読んだ人が確実に気づくことができるようにハッキリと記しておく必要があります。事前に神式やキリスト教式であることを伝えておけば、参加者がマナーを確かめておくこともできるので、きちんと知らせておく必要があることを理解しておきましょう。案内状に書き忘れてしまうことがあれば多くの人が困ることになってしまうので、忘れることがないようにしておくべきです。
案内状で使用する言葉に注意する
社葬を神式やキリスト教式で実施するのであれば、案内状で使用する言葉に注意しなければなりません。インターネットなどで調べたテンプレートを活用しながら案内状を作成する会社もあるはずですが、そのまま参考にしてしまうと問題が発生することもあります。仏式の仕様で紹介されている例文が多いため、神式やキリスト教式には不適である可能性があるからです。案内状の書き方を調べるのであれば、神式やキリスト教式のものを見つける必要があります。より確実な言葉選びにするためには、社葬を依頼するサービスで案内状の書き方を相談することも良いでしょう。多くの葬儀社は案内状のサポートまで対応しているので、分からないまま進めるのではなく相談してみることをおすすめします。案内状は取引先に出すケースも多いですが、用いる言葉を間違っていると会社全体の評判を落とすことにもなりかねません。これらの宗教を信仰していない人が作成する場合は間違いやすいので、気をつけておく必要があります。
社員でマナーを学んでおく
神式やキリスト教式の社葬を実施するつもりであれば、社員全員でマナーやルールを学んでおくことが大切だと言えます。社葬には自社の社員だけではなく、取引先や顧客などが参加するケースが多いです。案内状にどの宗教に基づいて実施するか記載しておくと、多くの参列者はその宗教の葬儀のマナーを学んでから参加する可能性が高いと言えます。そのような状況の中、自社の社員が神式やキリスト教式の葬儀のマナー違反になるような行為をしていては示しがつきません。仏式の葬儀には参加した経験があっても、神式やキリスト教式のものには参列したことがない人が多いはずです。社葬の実施日までに社内でマナーを学ぶための時間を設けたり、自主的に調べておくように知らせたりしておくことが大切だと言えます。間違えた認識を持ったまま臨んでしまう従業員が居る可能性もありますので、知っておくべきマナーをまとめたマニュアルを作って配布することが望ましいでしょう。
拝礼の方法は当日案内する
事前に案内状で神式やキリスト教式の葬儀であることを知らせておいたとしても、全員がきちんとマナーを学んでから参列するわけではありません。調べておかない人が悪いという対応をするのではなく、全ての人が安心して参加できるように不慣れな人には拝礼の方法を指導できるようにしておく必要があります。当日全体で拝礼の方法を案内するようにしたり、困っている人がいれば個別に対応したりすることが大事です。参列者自身がマナーを学んでおくことが望ましいと言えますが、それが当然であると突き放した対応をすると会社の評判が悪くなってしまう可能性があります。拝礼方法を知らない人がいる可能性もあることを理解しておき、運営に携わる社員を中心に指導できる準備をしておくことが大事です。当日に葬儀社の方からアナウンスしてもらう方法を選ぶこともできるので、この方法を選びたいと考える場合は事前に打ち合わせをしておきましょう。
まとめ
社葬は必ずしも仏式で実施されるわけではありません。故人が信仰していた宗教によっては神式やキリスト教式が採用されることもあるので、そういった宗教の葬儀でもつつながく終えられるように準備しておく必要があります。社葬のやり方をインターネットなどで調べることは可能ですが、仏式が例に挙げられることが多いので事前に注意点をしっかりと理解しておくべきです。あらかじめ注意すべき内容を知った上で社葬を執り行うようにすれば、故人との大切なお別れの時間を良いものにすることができるはずです。