社葬とは – 式の種類や流れ、開催する時の注意点を紹介します

会社葬とは、会社の創業者や社長・会長といった経営陣で、会社の発展に貢献した人物が亡くなった場合に会社として行う葬儀のことを指します。そして今では、一口に会社葬といっても様々な形態があるため、どの形式のものを行えば会社として最善の葬儀となるかを知識を身に着けた上で熟慮して選択する必要があります。こちらでは最近よく行われる会社葬の形態の特徴とともに、いずれの葬儀であっても注意したい点について記載します。

一般的に行われる社葬

昔から現代に至るまで行われてきた会社葬の一般的な形は社葬でしょう。社葬は近親者などによる葬儀の後に、会社として故人が信仰していた宗旨にのっとって行う葬儀です。多くの場合、故人だけでなく会社としてお付き合いのあった企業関係者をお呼びするため、故人をしのぶこととともに、代表者が亡くなった場合は後継者を紹介する場になります。

また、近親者での葬儀の後とはいえ、社葬を行うまでの時間は比較的短いことが多いため、社葬がどのように行われるかによって、会社の信用度や組織力などが明らかになる場ともなります。加えて、社内を一致結束するための役割もあります。つまり、会社の一大イベントの様相を呈していますから、事前に会社での規定を設けるなどして、しっかり準備して行う必要があります。社葬の規模は、大企業の場合は500人から700人、または1,000人を超えるケースもありますが、中小企業の場合は100人から200人前後となる場合が多いようです。

社葬実行担当者は、重要取引先会葬者に失礼がないよう細心の注意を払う。「社葬」が「後継者による会社の継承の儀礼」としての側面を持ち、社長の死後も、それまでの企業ネットワーク中の位置を確認し維持するという、現世的な意味での会社永続の願いに基づいているためである。それに対し葬儀の対象者がカリスマに富んだ創業社長である場合、「社葬」は上記の個人的側面、会社的側面の双方を併せ持つ傾向にある。現在、日本的経営の見直し等によって世俗的なお別れ会が増えるなど社葬慣習は大きく変化しつつある。

http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=216616

最近よく行われるお別れ会

最近では、故人の遺志やご遺族の意向などで、今まで主流だった社葬に代わり、お別れ会やしのぶ会を設けることが多くなりました。お別れ会は、近親者や親族、故人と親しかった友人や社内外の関係者が集まる場で、宗教色をなくして自由に故人との思い出を語らうことができる葬儀の形です。お別れ会が行われる時期ですが、通常は火葬ののちの四十九日の法要の前後に行われることが多いようです。

また、行われる会場も葬儀色の強い場所ではなく、ホテルやレストランなどが利用されるケースが目立ち、接客のプロからのアドバイスを通し、会社の特色を生かした葬儀とすることができます。そして会場の飾りつけは、故人が好んでいたものや写真、お花などがたくさん飾られ、悲しみを共有するというよりも、ゆっくりと故人をしのぶ場となるメリットがあります。会社葬としてお別れ会を主宰する場合は、来てくださった方を丁寧におもてなしすることに重きを置き、接客を通して会社に良い印象を持ってもらうことが大切です。

合同葬では会社葬としてどんな点に注意できるか

合同葬とは、通常は別に行われる近親者のみで行われる葬儀と社葬を合わせて行う葬儀の形です。この場合は、故人の死後、一般的な葬儀と同様のスケジュールで通夜・葬儀・告別式・火葬が行われます。合同際を行う場合に注意すべき点の一つは、どの宗教・宗派で行うかは会社主導で行うのではなくご遺族との話し合いで決めるということです。さらに費用面では、ご遺族と会社が分担するケースが多くなるため、分担割合やどの費用をどちらが持つかといった取り決めをきちんとしておくと、無用なトラブルを防ぐことができます。

また、会社の社葬に関する取り決めで、火葬料や戒名・法名を除いた葬儀費用を全額負担することを規定することも可能です。加えて、合同葬には複数の企業や団体が合同で行う葬儀という意味合いもあり、最近ではグループ会社などが共同で行うケースも増えてきています。その際は、故人がそれぞれの企業とどのようなかかわりがあったかや、役職、会社の規模などで負担割合を決めることができます。

いずれの会社葬でも気を付けたいこと

いずれの会社葬でも気を付けたいこと

いずれの会社葬の形をとるにしても、葬儀を行う上で気を付けたいことがあります。それは故人の近親者との関係です。合同葬以外の会社葬の場合は、近親者が密葬を行っている場合がほとんどで、故人との別れを大切にする故、訃報を伏せておいてほしいと考えている方も少なくありません。それで、近親者との葬儀の日程や葬儀会場が他の方に公開されないよう、配慮を払う必要があります。

また、会社の重鎮として活躍されたものの、すでに現役を退いている方やそのご家族とは日ごろから連絡を密にしておき、逝去された場合に連絡が取れるようにしておくことも大切です。さらに、会社として葬儀を取り行えるように信頼関係を構築しておくこともできます。実際に会社葬が発生した場合には、会社の関係者との関係も重視しつつ、故人の近親者に配慮した葬儀となるように努力します。そして、弔辞や供花・香典などをいただいた先のリストを近親者にお渡しして、香典返しやお礼のあいさつができるようにすることもできます。

まとめ

会社葬の形は、昔から今に至るまで行われてきた一般的な社葬に加え、故人とゆっくりお別れができる形式のお別れ会やしのぶ会、さらには近親者の一般的な葬儀と会社葬を一緒に行う合同葬があります。いずれの会社葬もそれぞれの良さがあり、会社として何を重視したいかにより形式を変えるとよいでしょう。

また、いずれの会社葬の形であっても、故人の近親者に配慮を払うことが大切で、そのためには現役を引退した方とも日ごろから連絡を取っておくことも大切です。

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