社葬の香典袋マナー。書き方・包み方・渡し方について一から解説!

社葬とは、会社に特に大きく功績を挙げた方が亡くなられた際に、会社を挙げて行う葬儀のことです。一般の葬儀では、喪主はご遺族であるのに対して、社葬は故人の属していた企業になります。
故人が複数の会社や団体に関係している場合や、企業グループのときにはグループ葬、複数の会社が一緒に行うときは合同葬と呼ばれ、企業ではなく団体のときには団体葬、また協会のときは協会葬と呼ぶ場合があります。個人のお葬式に参列された経験が何度もある方でも、社葬となると初めて経験する方も多いのではないでしょうか。社葬の際の香典の書き方や渡し方を理解して、いざというときに備えてみませんか。

香典袋のマナーとは。どのように書いて誰に渡すのか

会社を挙げて行うお葬式なら、香典は誰に渡せばよいのかと悩む方もいるはずです。社葬では香典を受付の方が受け取りますが、受付で預かった香典は、すべて遺族が受け取ることになります。香典とは、残された遺族を助ける互助の意味合いを持っていますし、遺族に香典を受け取ってもらうことが会社への評価にもつながります。そして社葬とは言っても受け取るのはご遺族のため、事前に何も伝えられていない場合は香典を用意し、社葬の受付で渡すようにしましょう。
まずは香典袋の書き方ですが、個人のお葬式とはあまり違いはありません。表書きは、仏式であれば「御香典」か、より丁寧にするためには「御香奠」と記します。一般的には「御霊前」もよく使われますが、宗教によっては用いることができず、浄土真宗の場合には「霊」の存在が認められていないため使用しません。またキリスト教の場合は「御花料」で、神道なら「御玉串料」か「御榊料」とするのが正しい香典袋の書き方です。悩む方は事前に宗派を確認しておきましょう。

社葬の香典の金額はいくらくらい包むのか

社葬で香典を包む場合には、一般的な葬儀の香典の平均金額よりも高くなります。一般的な葬儀の香典の平均金額は5000円ほどですが、社葬の場合には1万円から3万円ほどを包みましょう。故人やその会社との関係によっても金額は変わりますが、亡くなられた方が取引先の関係や、非常にお世話になった方というような懇意の間柄で、社長名義で香典を包む場合には3万円から10万円程度です。最高でも20万円までということが一般的になっています。
個人のお葬式では、地域によって金額が定まっていることもありますが、社葬で社員それぞれがご香典を出す場合には、周囲にどれくらいの金額を包むのか確認するというのも手です。また、一般的なお葬式でも言われていることですが、割り切れる偶数や、4、9というような「死」や「苦しみ」を連想させる数字は避けてください。個人のお葬式であれば2万円でも構わないという場合もありますが、社葬では避けた方がよいでしょう。

社葬で香典を辞退されたらどうすればよいのか

社葬では香典を辞退する場合も多いため、事前に香典が必要かどうか確認しておきましょう。遺族が受け取る場合には経費にはなりませんが、会社が香典を受け取る場合であれば、雑収入とみなされて税務処理が必要になってきます。そのため遺族側が受けるか、最初から香典辞退を行うことが多いのです。もしも受け取り手が会社であれば、税務上の複雑な処理が必要ですし、遺族側が受ける場合には、個人で葬儀を行うよりも規模が大きいため、作業が膨大になってしまうので近年では香典を辞退するケースが増えています。数千万円単位の香典など、あまりに大きな金額の香典になってしまう場合は、遺族に贈与税がかかることもあり、大きな負担が掛かります。
ただし、社葬を行う前の密葬や家族葬で、近しい間柄の人からのみ香典を受けないという可能性もあります。いずれにしても、事前に香典は必要かどうか確認しておけば失礼にあたらないでしょう。

社葬の香典返しはどう扱えばよいのか

社葬の香典返しはどう扱えばよいのか

社葬で香典を辞退する場合が多ければ、香典返しを行わないということも考えられます。香典返しをするのは遺族になるため、香典を受け取ることだけではなく、香典返しも膨大な量となるため、行わないことが多いのです。ですが、もし社葬で香典を出した場合には、香典返しも受け取ることになり、後日お礼が必要かどうか迷われる方も多いのではないでしょうか。しかし、お礼にお礼を重ねてしまうと「不幸が重なる、長引いてしまう」といったイメージにつながり失礼にあたるため、貰った側からお礼や返事は基本的には不要とされています。個人のお葬式ではなく社葬であっても、特に懇意にしていた取引先の方などどうしても返礼品到着の報告や一言お礼を述べたい場合には、ご遺族に電話かハガキ、メールで連絡をしてもかまいません。ただし電話でお礼を伝える場合にはご遺族に負担を掛けないように手短に済ます、お礼状を出すときには「ありがとうございます」というような言い回しは避けるようにしましょう。

まとめ

個人葬も社葬も基本的なマナーに差はありません。どちらも故人を偲ぶという意味合いでご遺族に負担を掛けないように参列し、特に社葬であれば香典は必要か否かは事前に確認を行うなど、ご遺族に配慮し参列を行いましょう。そして社葬で気を付けて欲しいのが「名刺交換は行わない」ということです。会社でのお葬式ではありますが、ビジネスシーンではないためはマナー違反となるため注意しましょう。また知り合いを見かけても長話をしないように気を付けるなど、香典以外でも普段のお葬式での注意と同じように参列されて下さい。

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